本研究室の研究テーマは、
「自閉症などの発達障害児および被虐待児への精神分析的心理療法の実践および研究」です。
私の専門は、英国対象関係論をベースとした子どもの精神分析的心理療法の実践とその研究にあります。特に、顧問を務める認定NPO法人子どもの心理療法支援会における活動を通じて、自閉症などの発達障害を持つ子どもや虐待を受けた子どもなど、日本では専門的な心理療法を受ける対象にはなりにくい子どもたちのこころのケアの実践を中心に行っています。
また、そういった子どもたちの日々の生活のケアにあたる家族や施設のスタッフが、子どもたちのこころや行動をより良く理解し、より良い援助ができるためのサポートにも力を入れて取り組んでいます。
日本の児童養護施設には、虐待を受けた子どもが多く生活しているにもかかわらず先進諸国の中では‥
本研究は、大阪経済大学心理臨床センター臨床心理士(本学修了生)および研修員と大学院生の協力を得て、2014年4月より開始しています。本研究の参考となる、英国における実践については、「英国における子どもの精神分析的心理療法の調査・研究の展開‐GBOMの導入‐」大阪経大論集第65巻第1号(2014年5月)にて紹介しています。
こうしたわが国での試みについては、Introducing goal-based outcomes(GBO)measures to Japanおよび Japanese version of the goal-based outcome(GBO) toolとして紹介しています。
2014年度の成果については、「大阪経済大学心理臨床センターにおけるGBOM導入の試み」として、大阪経大論集第66巻第6号(2015年3月)に公表しているほか、2015年9月には、日本心理臨床学会第34回秋季大会にて、「子どもの心理療法の効果測定―Goal Based Outcome Measureを用いた試み」(シンポジウムB)として、2018年6月には日本精神分析的心理療法フォーラム第7回大会にて、「Goal Based Measureの活用可能性と心理療法の効果」(会員企画分科会)として、それぞれ研修員と大学院生とともに口頭発表しています。2017年5月には、「大阪経済大学心理臨床センターにおけるGBOM施行の実際」として、大阪経済大学心理臨床センター紀要第11号にも修了性および研修員と共に報告しています。
大阪経済大学特別研究費の助成を受けての活動は、2019年度をもって終了しましたが、引き続き、大阪経済大学心理臨床センターをベースに、GBOMを活用した子どもの心理療法の効果測定に関する調査・研究活動は継続しています。
最新の研究成果は、「大阪経済大学におけるGoal Based Outcome MeasureとPostivie and Negative Parenting Scaleの活用」として、 大阪経済大学心理臨床センター紀要第14号に公表しています。